神経ブロック注射
神経ブロックとは
神経ブロックは痛みや痺れ、麻痺などを起こしている神経の周辺に局所麻酔剤を注入してその神経の働きを一時的に止めて痛みを取ったり、神経によっては血流を改善して痺れや麻痺などの症状を改善する治療法です。神経に直接薬剤を注入する方法もありますが、一般的には神経に直接針を刺したり薬を注入するわけではないので注射時の痛みは通常の筋肉注射と同じです。
よくある質問
- Q1
- 神経ブロックは一時的な対症療法ではないのですか?
- A1
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神経には知覚神経(痛み、痺れ、熱い、冷たいを感じる)、運動神経(体の筋肉を動かす)、自律神経(血管収縮拡張、心臓の動き、胃腸の動き、発汗などをコントロールする)など大きく分けて3種類の神経が有ります。
知覚神経をブロックすることにより急速に痛みが和らぎ痺れを感じなくなります。 自律神経をブロックするとその部位の血液循環が良くなり、痛い場所に蓄積された「痛み物質」を洗い流す効果があります。
麻酔剤による直接的な鎮痛効果は確かに一時的ですが、痛みが緩和され、筋肉の緊張が取れ、血流が改善するなどの相乗効果によって痛みが和らぐという効果は長く続きます。
1回の治療で激痛から解放される患者さんも数多く見られます。当院では満足な結果が得られまで週に1~2回の注射を計4~8回を目途に行っています。
- Q2
- どこに注射をするのですか?
- A2
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痛みのある部位によって注射の部位が異なります。ペインクリニックで行われている代表的なブロックについてご説明します。
1)星状神経節ブロック
頭、顔、頸、肩、腕の痛み、痺れ、麻痺に対して行われる神経ブロックです。 星状神経節ブロックはペインクリニックで最も多く行われているブロックで、星状神経節はのど仏を挟んで両側にあり、のどの気管の右または左側に注射します。
2)硬膜外ブロック
胸部、腹部、腰部、下肢の痛み、痺れに対しては硬膜外ブロックを行います。 硬膜外ブロックは脊柱管を通っている脊髄神経のすぐ外側に局所麻酔剤を注入します。痛みのある場所によって、背骨の上部(頸椎)、中部(胸部)、下部(腰、仙骨部)に注射します。このブロックは星状神経節ブロックに次いで多く行われるブロックです。 体幹部の帯状疱疹後神経痛、肋間神経痛、ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、脊柱管狭窄症、腰椎辷り症による痛み、痺れの治療に用いられます。
3)トリガーポイント注射
神経ブロックではありませんがトリガーポイント注射もペインクリニックで良く行われる注射です。トリガーポイント注射は、ある部位を圧迫するとそこから離れた場所やその周辺に痛みが引き起こされる場合に痛みを引き起こす場所にする注射で、多くの場合痛みのある場所に比較的近い部位に行う局所注射です。
- Q3
- 神経ブロックによる副作用はありませんか?
- A3
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局所麻酔剤を使用するので、注射後眠くなったり、血圧が下がったり、筋肉に力が入らなくなったり、声がかすれたりすることがありますが、いずれも一時的な症状で30~60分後にはもとに戻ります。 注射部位の感染、出血、神経障害、使用薬剤に対するアレルギー反応なども起こる可能性はありますが重症の副作用の頻度は多くても5,000〜10,000人に1人程度といわれます。
経験を積んだ医師の場合その頻度は非常に低く、万が一危険な副作用が起こった場合に備えて当院ではAED,酸素吸入、人工呼吸など万全の対処が出来るようにしています。
アクセス
〒249-0006 神奈川県逗子市逗子5-6-18
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